クリスマス


いつものように、(多少は違うが)同じものを作り、同じものを食べ、同じように過ごす。


ただそれだけのことなのに、ふいに、心の中で、涙があふれだす。


何なのか、この心のざわめきは。


何故、苦しみを感じるのか。


自分ではない自分を、明確に感じてしまったとき、どうすればよいのだろう。


   


遠い町のどこかで、あなたに出会った
記憶を辿り、引きよせる
じっと、耳の奥の音を聞いて



あなたと一緒に戦いたいから
少しだけ、力を貸してください



それが、わたしの願い
叶わぬとは言わない、小さな誓い


難しくは思わない
たったひとつの、揺るぎない気持ち



ラビリンス

 

言葉通り、完全に迷宮入り、である
出口が見つからない
というよりは、見つける気がないだけなのかもしれないが


薄曇りの空、カシミヤのマフラー、どこか儚げなあなたの眼
消えゆく言葉は、涙に濡れて


空からは、ぽつぽつと雨が降り
マフラーはしっとりとそれらを吸って
あなたの眼を覆い隠す


真実に出会うことは、もう、きっとない
ただ、今ここにある実感だけが私のすべて


書くことでしか、先には進めない
猫は斬られたし
血は流されたのだから