Amazonについての雑感

最近、欲しいCDがAmazon(.co.jp)で買えないことが多い。
昔は、Amazonが超ロングテールのしっぽを捕まえる、という認識でいたけれど、
CDに関しては、そうでもなくなってきているような気がする。



結局、HMVのサイトやリアル店舗で買うこともしばしば。
(しかも、HMVのサイトはAmazon(.co.jp)よりも試聴できるCDが格段に多い。
もしかすると、Amazon.comより多いかもしれない。)



今のAmazonは、本や音楽や家電など、たくさんのジャンルの商品を扱っていて
まるで百貨店のよう。
その中で、個々のショップはある程度の売れ筋だけを置くように
なっていくのは仕方のないことなのかもしれないけれど。
(とは言っても、リアルな百貨店よりはふつーにしっぽを捕まえているが。)



そんな中、実は私がAmazonで一番重宝している部分は、日本では入手しにくい
洋物CDの新品を、マーケットプレイスを通じて、海外のCDショップから
かなり安い価格で買える部分。(但し、これは、海外では広く流通した商品で
あることが大前提ではあるのだが。)



専門店ではないところが超ロングテールを支えるとしたら、それは、自社での
調達機能を強化することではなく、「人の集まる場所」で、「買い手と売り手を
繋げる機能」を強化するということなのかもしれないな、などと当たり前の
ことを、ふーん、と突然気付いてみたりした。



まぁ、でも、そもそも「人の集まる場所」を作るには、「買い手と売り手を
繋げる機能」だけではない、「自社オリジナル機能」を作るのが一番確実。
Amazonというのは、自社オリジナル機能と繋げる機能の両方をあわせ持って
いるという意味では、本当によくできているなぁとも思う。



買い手と売り手を繋げる機能。
ふと、何かの機能に似ているな、と思ったら、楽天トラベルだった。
そういえば、昔、あのサイトのおかげでどうにか復活したペンションは
多いと聞いた。
ただ、それは楽天を使った人々の成功であって楽天の成功ではない。
楽天Amazonのようにはいかないのは、繋げる機能はあっても、
自社オリジナル機能と呼べる何かがないからだろう。
多分。



インフラというのは、それ自体は利益を生み出さない。
差異を埋める方向に働く機能であるだけに、社会的なインパクトは
大きいけれど。
ましてや、そこにある情報は「あなたのものではない」のだから。
結局、それに乗じて何かセコイことするか、インフラ以外のところで
ちゃんと儲けるかしないと儲からない。
リアル事業とか。専売特許とか。既得権益とか。もろもろ。何でもいいけど。