向き合うということ

ジャズに向き合うということは、歴史に向き合う、ということ。
60年前の風景を想像するということ。
私は、その想像の世界から、
つたない想像力だけれど、つたない言葉だけれど、
自分なりのリズムで言葉の流れを作る。



そして、あの日の空は、いまの言葉になる。
時間の流れを背負ったまま。今日に向かって。



ジャズは恋愛のうたが多いように見えるけれど、
そこにある恋や愛は、ふたりだけのものではなくて、
それ以上の何かが秘められている。



伝えなければならないもの。



伝えられてきたものは鏡となって、現在を映す。
多くの人に分かる形で。
この私にも分かる形で。



反射された光から何かを受け取って心が少しちくっとしても、
その痛みを抱えて、その痛みと向き合って生きていくしかない。そう思う。
痛みを乗り越えようとする、たくさんの人たちの笑顔がここにある限り。