忘れられないあの日

こんなときに台風こなくてもいいのにね。
それとも台風が来る前兆だったのだろうか。
そうだといいな。そうであってほしい、と強く強く思う。



あの日のトラウマは私の中で消えてない。
寝る直前に、何かがおかしいと思ったけど、何もできなかった。
外では台風で雨が降り続いて、その雨は、ただ、私に眠りなさいと囁いてた。



ちょっと冷たい空気。湿った空気。



私なりに、こわかった。
ひとりでベッドにしがみついてた。
もう、あんな思いはしたくない。
けれど、多分、あれが終わりではなくて、きっと始まりでしかない。
ちょっとした苦しみのはじまりを打ち消すように
テレビの音を大きくして
あとは祈るだけ。
通じないことは分かっていても、それでも祈る。
きっとそんなものだろう。