今年もサンタはやってきた



ウェッジウッドのあつい紅茶の中で、固まったこおりは融けていく。
固く閉ざされた心を融かすものがあれば、それもまたあついものなのだろう、と、ふと思った。



結局、ある論理とは一種の宗教であって、ある正しさもまた一種の宗教であって、それは信じる人の心しか動かせない。信じるとか信じないとかでなく、人の心を動かすものがあれば、それは、ある種のあつさなのではなかろうか。



そのあつさは決してやけどはさせなくて、ただ、少し、人のこころをあたためる。










昔、或る場所には、そんなあつさというかがあって、事実、私の心は融かされた。のだけれど、月が過ぎるにつれて、そういうあつさは少なくなり、何かよくわからない宗教みたないなお話が多くなってきたように感じる。たった、ほんの、少しの時間におきた、ほんの、ちょっとの変化なのだけれど、私はその変化をすごく大きなものとして感じてる。物事をそんなにストレートに書くのは好きではない私が、ここにこうやって書くことを決意したぐらいに大きなもの、として。



そうやって決意した、今日、という日はもう二度とやってこない。20代最後のメリークリスマス。さっき、たまたまなんだけど、相変らずな感じで村上春樹さんの本を読んでいたら、自分に送る言葉を見つけたから、こっそり靴下にしまっておかなくちゃ。多分、あとⅩ年はおなじ靴下はいていると思うよ。



『愛というのは、世界を再構築することだから』