静かな湖は深い

あー、かとりしんごにしか見えないよう。



琴線にふれる、どうやったら?
泣いたり、きゅ、ってひきつけられたり、恋したり。
心に虹をかけたり、ふるえたり。
いつかの感覚や、ことばを思い出したり。
誰かの気持ちをおもいうかべたり、
心の内を吐き出したり。
のりうつったり、誰にも言えないことを打ち明けたり。
深く深くもぐりこんでしまったものを
えぐり出すことなく、自然に背中を押して。
実は共有できない何かを引き出して。
何が起こっても大丈夫だから、と。
音や言葉という抽象的なものだからこそ
何かが駆り立てられてゆく。
そんな新しい場所でしか、もう、私たちは泳げない。
新しい場所。
物理的ではなく、感覚のゆがみのなかに、存在して。
どうやっても見ることはできなさそうだけれど、
自分の知らない自分は、もうそこに立っている。
でもそれは前もって知ることはできなくて、
それでも、心の中のどらえもんは少しずつ願いをかなえてくれる。
先がみえないところにしか、
どらえもんもストーリーも存在しなくて、
知りたいことはたくさんあるけれど、
私はとても眠い。
そんな毎日の繰り返しの中に
期限は差し迫って
期限に追われぬこの気持ちだけに
素直に生きていたい。と思うことがある。