乾き

何だかよう知らないけど、6月とは思えないほど、
暑くてじめじめしている。
だけど、やはり東京はどこか乾いた感じがしていて、
私の実家にあったような、身の回りのもの全てから
伝わってくる、むーっという感じがない。
肌には、すうっと風が触れてゆく。
その昔、私はその風にいとも簡単に何かを伝えられる
ような気がして、それができないことを知るのにすこし
時間がかかった。



流れる涙の数は、増えたかもしれず、
それを伝える相手は無数の空気。
無駄な抵抗と分かっていても、まだ落ち着けないし、
さらに言えば、もしかしたら無駄な抵抗ではないかも
しれない、と思うこともある。
ただ、多分、それは私の知っている、今の私の得意な
やり方では無理なのだな、とも思う。



いずれにせよ、今の私には、かなり難しいことだ。
なぜなら、私はその本質を理解してないから。
理解するのが怖くて、理解しようともしてないから。
多分。



ごめんね。