fake

生きていても、いつもリアルな感じがしません。
それで、少しでもリアルを感じたい、と悪あがきをします。
でも、それは、もともと無理な願いだったのだと気付きました。
今は、まだ、やり方が分からないから。



花が咲いて、雨が降って、虹が見えて、青い空が広がって、
あなたの声が聴こえた。
私の、少しだけ、リアル。
という名前の妄想。



紙に彼の髪の毛を包んで、そのまま窓から遠くに投げた。
誰かがもしそれに気付いたとしても、
気付かなかったふりをして、笑顔だけ向けて、手を振ってくれますように。



わがままをどうか、許して下さい。
全てはFakeだった、と。