訂正だらけ



私は先日、こんなことを書いたのですが、

いずれも、小泉首相を支持する内容の記事である。別に、ぶくまっていれば賛成とは言えないし、アイロニーみたいなところもあるかもしれない。だが、50userを超えないブログについても、その多くは小泉首相を支持する内容の記事となっているのも事実だ。

この部分については、訂正させていただきます。50userを超えないブログについても、ではなくて、50userを超えないけれども(定義は曖昧ですが)それなりにぶくまされているブログ、が正しいです。

私のぶくまは、自分がもともと知っていた内容やアイロニーとしてすらぶくまする気がおきない内容はぶくましていませんので、まあまあ偏っていますが、それでも、それなりには小泉支持・不支持の両方をぶくましてきたつもりです。そういうぶくま行動を通して感じるのは、あくまでぶくまの世界だけで話をするならば、小泉支持のぶくまは伸びやすく、不支持のぶくまはかなり伸びにくいのかな、ということだったりします。





ついでに、私は先日、上記(はてブの偏り)を理由に、こんなことも書いたのですが、

あと、ネット界隈で、もうひとつ気になるのは、言論がある一方向に偏っていることである。

この部分についても、訂正させていただきます。言論がある一方向に偏っていること、ではなく、注目されている言論がある一方向に偏っているように見える場所がある、ぐらいにしておいたほうが正しそうです。
または、ネット界隈、ではなく、はてな界隈にすればいいかもしれません。

私はふとした瞬間にその事実を忘れがちではあるのですが、そもそも、はてなの住人が相当偏っているということは、いろいろな方々が以前からご指摘の通りだと思います。私自身、ごくありふれた話題は、ここには書かないで別のブログに書いていて、そこの話題をこちらに持ってこようとは思わないし、ましてや、ここの話題をそちらに書こうなんてのは絶対にあり得ないわけです。

趣味のWebデザイン 郵政民営化反対サイトのご紹介では、この辺のことが簡潔にまとめられています。

おそらく「ウェブでは郵政民営化支持が優勢」と感じている方は、はてなブックマークのユーザが多く徘徊する世界を見ているのでしょう。端的にいって、主な発言の場としてブログ界隈を選択している論客、著名なブロガーについていえば、たしかにいわゆる保守派が多く、小泉首相支持、郵政民営化支持、中国と韓国は嫌いだけど台湾は好き、といった意見が目立ちます。2ch でも同様の傾向があります。

けれども、庶民系ブロガーの間では郵政民営化反対論はかなり根強く存在します。ブログが一部の人のものではなくなっている以上、世論調査とほぼ対応してくるのは当然ですよね。印象をまとめると、政治の話題を扱うユーザの少ないブログサービス、長文を書かないユーザが多いサービスで民営化反対論が強い。また有名人ブログなど、ウェブ以外の場所に拠点のある方の発言はバラエティに富んでおり、民主党支持の意見がけっこう目立ちます。



ただ、一応、論点をはっきりさせておくと、私がこの前のエントリで書きたかったのは、どちらが優勢ということではなくて、ネットの中に、迎合に向かいやすく、かつ、それが数字となって見えてしまう場所が生まれつつある、ということです。

だいぶ前のエントリでも少し触れたことではあるのですが、ネットというのは、メディアの中の位置づけとしては、雑誌と同じ、能動的なメディアとして一般的には捉えられていました。(もちろん、そうでない場が過去にも現在にもあることは否定しませんが、それについてはここでは一切言及しないことを先にお断りしておきます。それは、その場が、ある程度、閉じられた場でもあるからです。)それは、今まで、ネットを見るという行為は、自分で検索するなり、自分で書くなり、何らかの目的意識がなければできない行為として認識されてきたからです。
しかし、最近は必ずしもそうとは言い切れないように思います。それは、ぶくまの注目エントリなどの登場により、テレビやラジオの電波に接するよりは若干の判断が必要だとしても、自分で検索したりするよりは明らかに能動的ではない(半受動的な)行為も含まれてきているからです。
このような受動的な態度が含まれる場ということは、従来のテレビなどと同じように、意識的にも無意識的にもコントロールされやすい、つまり、迎合に向かいやすい場なのではないかと思います。事実、私自身も、はてブを使う人たちのフィルタリングによって仕分けされた注目エントリをあまり深く考えずに何でもぶくましていた時期がありました。が、そういうのに何だか嫌気がさして、自分がきちんと実感として何かを捉えることができたときにだけブックマークする場が必要だと感じ、結局、私は、とりあえずそういう話題があったという事実のみをストックをするブックマークと色々考えるためにストックするブックマーク(ここのブックマーク)を併用するに到っています。
ついでに言うと、注目エントリとかはテレビよりやっかいな部分も持ち合わせていると思います。それは、注目としてあがってくるものに書いてある内容が、テレビから流れてくるものよりも、自分で価値判断を下すのが難しいものが多いということです。(ここのブログが普通かどうかは別として)ごく普通のブログも書いている一般人としての意見を述べると、論壇系ブログに書いてある内容が正しいかどうかなんてことを正しく判断できる自信はないから、万が一、言及をしたとしても、それは迎合以外の方法ではできないし、それに比べれば、庶民系ブログに書いてあることは自分にも身近な話題が多くて、迎合ではない方法で言及をいろいろとできるような気がするのです。どこからが論壇系でどこからが庶民系なのかと言われると、それはそれで困るという話はさておき・・・。
さらに言うと、テレビとネットの違いは、パーソナルメディアかどうかというところにもあります。テレビの話題をリアルな場で議論することはよくあっても、ネットの話題を、しかも、そんな論壇的話題をリアルで議論する人はまだまだ少ないと思うのです。その役割は、本来、ブックマークのコメントが担うべきものなのかもしれませんが、現状ではそういう状態にはなっていない気がします。
そんなわけで、ネット上のコンテンツに対して、自分で価値判断を下せない上に、誰かにその価値判断の拠りどころを求めることもしていない、という状況が引き起こされているのではないかという気がしてならなかったりする、今日この頃なのでした。