枯葉は舞い落ちて
少しずつひんやりとしてきた空気の中で。
そよぐ風をつかんでみれば、そこには、次の季節の感触。
枯葉の舞い落ちる季節は、もうそんなに遠くない。
慌しい毎日は、そんな季節のスピードさえも押し上げて、
やがて世界は春を手繰り寄せる。
そこに芽生える新しい息吹を、私がどうして怖がる必要があろう。
その青々しく茂る緑から、どうして目を背ける必要があろう。
胸に手をあてて、答えを探る。
隠れん坊している、消えることのないその問いと、
私は対峙し、そして、恐る恐る声に出す。
それは本当に息吹なの?
私たちを食べたり、しない?
夕闇に拡がる月の光は、
終わることのない悲しみを標に道をつくる。
時折、幸せを飾りながら。
あなたの瞳は、いま、同じ標を追わずに、
あなたの瞳に映る螺旋を昇っているように見える。
あなたは本当に息吹なの?
私たちを食べたり、しない?
その答えを、私はまだ知らない。