今日の月は

今日の月はひどく遠い。
どれほどの高さだろう。
手は届かない。



今日の私の意識は、月まで、途切れ途切れ。
月を遠ざけているのは、私のこころ。
手が届かないから、どの程度遠くにあるかを勝手に思うこともできるのだろう。
手が届けば、そんなことを思ってもそれが正しくないということは確実にフィードバックされる。
逃げられはしない。



私が月を想うのは、手が届かないからで
私が風を想うのは、この目で形を見ることができないからで



でも朝が来れば、この手にはっきりと伝わる、太陽のあたたかさが恋しくなる。
逃げたくない自分がいることを知って、歯ブラシに手をのばすと
無機質なプラスチックは何も答えないけれど
それでも引き続き私は歯磨き粉のチューブに手をのばす。



(まぁ、だから何なんだ、って言われても困る。
ただの弱音バイオリズム備忘録なので。)